デジタルの詳細【マイコンプログラミングに必須】

デジタルの基本

めかのとろ

さきほどデジタルの話で標本化、量子化、符号化の話がでてきました。ここでは詳細を解説します。デジタルとは端的に表現すると情報をとびとびの離散した値による符号にして表現したものです。

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アナログ信号からデジタル信号をつくるためにはAD(Analog-Digital)変換を通して数値を時間軸で刻んでサンプリング(標本化ともいう)し、信号の大きさ(信号の振幅)を離散的な数値に刻むことを量子化といいます。
その数値を2進数の0と1に変換することを符号化といいます。

標本化

時間方向でとびとびの値をとることをサンプリング(標本化)といいます。サンプリングは時間で表す場合はサンプリング周期T、周波数で表す場合はサンプリング周波数fといわれます。
サンプリング周期Tは周波数の逆数です。T=1/f

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例えばオーディオCDのサンプリング周波数fは44.1kHzですのでサンプリング周期Tは T=1/(44.1x1000)=22.676usとなります。
ちなみにサンプリング周波数がfの場合、デジタル信号はその半分の周波数f/2まで表現できます。(詳しくはサンプリング定理を調べてください)。

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通常の人間が知覚できるといわれている周波数上限は約20kHzといわれているためCDの音質はほとんどの領域を満たしていると言えます。

サンプリング(標本化)

量子化

振幅方向を何段階かに分割することを量子化といい、その分割量を量子化ビットといいます。この量子化ビットが大きくなる、つまり量子化ビットの分解能が高くなるほど信号の振幅を細かく表せます

量子化
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量子化ビットが2ビットでは4段階(2の2乗)、4ビットで16段階(2の4乗)、nビットでは2n段階となります。例えばオーディオCDの量子化ビット数は16ビットですので65,536段階(216)です。
マイコンのADコンバータ(アナログ-デジタル変換)で量子化ビットが8ビット(256段階)の場合、例えばアナログ信号最大値5Vのマイコンでは量子化ビット256で分解するので分解能は5/256=0.0195Vです。

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イメージスキャナなどで画像データを取り込むときに各色(RGB)8ビット256段階で取り込むことが多いですが、この場合は24ビットカラー(8ビットx 3色)と呼ばれ約1677万段階の色を表現できます。
ただし、色の表現としては各色(RGB)8ビット256段階は単色の場合には表現力があまりよくないために、各色12ビット4096段階や各色16ビットに対応しているものもあります。

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サンプリング周波数が高く、量子化ビットが大きくなるにつれて、信号はより連続のものに近づいていくことになります。

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量子化ビットは組み込み技術においてはアナログ信号を扱ううえで重要な概念です。

符号化

量子化で得られたデータを2進数のデジタルデータに変換することを符号化といいます。符号化により0と1だけのコンピュータが扱えるデータとなります。

符号化(4ビット)
ポイント

コンピュータは符号化された2進数データを扱います。身の回りの音声、映像、光などアナログ的な物理量はコンピュータ内ではすべて符号化されたデジタル量です。メモリ等に保存された音声データも画像データも中身はすべて符号化した0と1のデジタルデータです。データ種類は規格(フォーマット)にしたがって区別しています。