マイコンで扱うアナログとは?デジタルとは?【まずはここから】

マイコンを扱ううえでまず始めに理解したい概念がアナログとデジタルです。アナログとデジタルは何がどうちがうのか、意外と説明できないひとも多いのではないのでしょうか。この章ではマイコンを扱う上でもとても大切な両者の概念をわかりやすく解説しています。

アナログとは

めかのとろ

アナログとは連続した物理的な量のことをいいます。例えば自然界の音や光の強さなどは連続したアナログ量です。これらの量を電気的に変換して観測すると連続した波形となっています。

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一昔前のレコードやカセットテープはアナログの典型的なもので、原音から録音時にレコード盤では溝の形状に情報として再現できるように記録したもので、カセットテープは磁気により情報を記録したものです。

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これらのメディアと呼ばれる媒体はアナログの情報で記録されているので、時間が経つと劣化します。ノイズが入るともいいます。レコードの場合は音がとんだり、カセットテープの場合はテープ自体の伸びなどで音が伸びたり縮んだりします。

レコードと音声波形

デジタルとは

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コンピュータの出現とともに普及したデジタルの概念は、自然界の物理的な連続した量に対して離散的な数値で表現する方式です。

アナログとデジタル
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離散的な数値とはある量を短い一定期間(サンプリング期間)で区切って表す数値のことです。時間軸で刻むことを標本化(サンプリング)といい、ある量の大きさを離散的な数値に刻むことを量子化といいます。
この数値の大きさを2進数の0と1で表現することを符号化といいます。デジタルは0と1だけの世界だというのはこの符号化したものを意味しています。

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また、サンプリング期間は短くなればなるほど連続したものに近づくため、例えば音であれば自然に近づき音質がよくなります。
サンプリング期間を表すものにサンプリング周波数といい、例えばCD音質は44.1kHzであるといった表現をします。CDの音は1秒間に44,100回に区切られて処理されたものであるため人間の耳には連続にしか聞こえません。

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アナログ情報は劣化するのに対して、デジタル情報は劣化しません
例えばCDは符号化した数値をCDというメディアに記録しているので、音の再現ではこの符号化した数値を44.1kHzのサンプリング周波数でデジタル値として取り出し、このデジタル値をDA(Digital-Analog)コンバータという機能を用いてアナログ値に変換して音として表現するのです。

コラム

このデジタルの劣化に関しては誤解が大いにあるようですが、デジタルの本質を考えるとおのずと答えはわかるでしょう。画像、音源などはコピー時の圧縮などにより劣化することはありますが、これはデータ変換の問題であってデジタル自体がコピーにより劣化することではありません

デジタルはコピーしても劣化しない
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ここで大事なところは、マイコン内部で扱える情報はデジタル値のみですが、この世の中はアナログ的なもので成り立っているため最終的にはすべてアナログであるということです。

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例えばマイコン内部でデジタル音源はDAコンバータでアナログ音源に変換されますがこの音源はアナログ電圧信号の状態ですのでこのままでは何も聞こえません。

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人の耳に聞こえるようになるまでは微小なアナログ信号をできるだけ忠実に増幅するアナログ電子回路(増幅回路)、増幅したアナログ信号をできるだけ良い音質に再現するヘッドホンなどアナログ技術のインターフェースが必要なのです。

ポイント

組み込みの技術者はデジタルとアナログのつなぎ部分であるインターフェースに関しても基本的な理解をしておくことが重要です。

デジタルからアナログへ

マイコンで扱うアナログ・デジタル入出力

マイコンの入出力
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マイコンへの入力と出力にはアナログとデジタルの2種類があります。自然界のさまざまな物理量をセンサで電気信号に変換したものがアナログ入力となります。アナログ入力の場合はマイコンが処理できるようにするためにAD変換とよばれるアナログからデジタルに変換する工程が必要です。

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対して、スイッチの状態やON/OFF(0と1)の繰り返しであるパルスまたはさまざまな通信規格にしたがった信号はデジタル入力でマイコンは直接処理することができます。

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マイコンはとりこんだ入力をプログラミングされたデジタル処理を施して電気信号として出力するものですが、これにもアナログとデジタルがあります。

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アナログ信号として出力する場合はマイコンで処理した情報をDA変換と呼ばれるデジタルからアナログに変換する工程が必要です。アナログ信号として出力された電気信号は目的に応じた変換装置(アンプ)で所望の物理量に変換します。

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対して、ON/OFFを切り替える状態出力や、所望の周波数パルスまた通信規格に従った出力はデジタル出力とよばれます。

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アナログとデジタルがマイコンを扱ううえでとても重要な概念であることが理解できたと思います。

コラム

アナログは古く時代遅れ、デジタルは新しいといったイメージは本来の意味からはかけ離れた誤用なのですが、もともと自然界にあるアナログの世界にデジタルが後発で登場しただけのことで、古いと新しいを比較する次元のものではないことを理解していただけたと思います。
デジタル技術のなかでも特にマイコンの登場で、従来ではセンスも経験も必要なアナログ回路(ハードウェア)で構成していたところを身近なプログラミング(ソフトウェア)で構成できることから高機能な機器がより低コスト、省サイズで実現できるようになりました。

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