組み込みソフトウェア設計【プログラミング】
C言語によるプログラミング
開発環境とハードウェアが整った段階ではあとはアプリケーション作成のためにC言語によるプログラミングを行います。作成したIOマップで使用するGPIO(各ピン)、ペリフェラル(周辺回路)などの初期設定を行ってからアプリケーションを記述した処理への流れになります。
C言語で記述したプログラム全容のアウトラインは下図のようになります。
組み込みプログラムは①から⑧の手順で記述し、アプリケーションはmain関数内の無限ループwhile(1)内に処理内容を記述します。
無限ループ内の処理を周期的に実行させたい場合は割り込みを定期的に発生させて処理します。
RTOSを使用したアプリケーションでは①から⑩の手順で記述します。RTOSに必要なヘッダファイルをあらかじめインクルード(#include)しておく必要はあります。設定内容の詳細につきましてはこれまで解説してきたとおりです。
プログラムの流れをブロック図にするとこのようになります。アプリケーションによりこれに割り込み処理が追加されます。
初めに一つのアプリケーションを構成するとたたき台として他に応用できます。あとはひたすらプロジェクトごとにプログラミングで実現したいアプリケーションを作成するだけです。
プログラミングによるアプリケーション作成
組み込みプログラミング自体を本領発揮できるのはアプリケーションを記述する部分です。
マイコンが登場する以前ではアナログ回路で構成していた機能をソフトウェアで実現することができます。
少し専門的になりますが、マイコンを使用したアナログ信号を扱うデジタルシステムでは信号をサンプリングしてデジタル信号処理をすることによりすべてアナログ回路で構成していたシステムに比べて、低コスト、多機能そして柔軟なシステムを構成することができるようになります。
組み込み技術のプログラミングがソフトウェア分野だけでなく、ハードウェアに密接し、工学的な要素を取り込むこともできるようになればスキルの幅が広がりより高度なアプリケーションに挑戦できるようになります。
プログラミングは組み込み技術のなかではほんの一部にすぎません。目的ではなく手段であることを念頭において組み込みのスキルアップを図ってください。