組み込みシステムとの出会いと自分のスキルにする優位性・将来性
当サイトを運営している現役エンジニア社長めかのとろです。
大阪で製造業向け機器設計開発販売を行っており、海外との取引も幅広く行っている会社のエンジニア兼代表取締役社長をしています。これまで主に製造業向けの産業機械やメカトロニクス関連装置の製造販売を行ってきましたが、景気や業界の流れに左右され厳しい状況が続いていました。
そんな状況下で自社ブランドの制御装置を販売する流れになり、いままで蓄積してきた設計開発ノウハウをつぎこみメカトロニクス機器に組み込みシステムを融合させた製品の開発に取り組みはじめました。開発製品は試行錯誤を重ね、ようやく商品と呼ばれるところまできて今では組み込み系商品だけで年商売上が数千万円ほどに成長しました。組み込み技術を搭載した製品を自社ブランドで販売できる強みを感じています。
産業機械の場合は限られた用途向けでハードウェアが占める割合が高くいわゆるつぶしの効きにくい製品なのに対して組み込み技術を搭載した製品はマイコンに書き込むソフトウェアが占める割合が高く、設計次第ですが機能追加などの付加価値をソフトウェアで追加することができることから市場の要求に対して柔軟に対応できます。今後はインターネットを駆使したいわゆるIoTやAIを搭載するとさらにこれまでとは次元の違った用途の展開ができるものと思われます。組み込み技術はインターネット等ネットワークとの組み合わせとアイディア次第で無限のビジネスの可能性を秘めています。
こうした背景の下で組み込みシステムの需要と将来性がますます高まってきているように感じています。これまでは私の培ってきた技術ノウハウは製品内にのみしか詰まっていなかったのを少しでも多くの人、エンジニアを目指す若い人、十分に実践経験を積んだエンジニアの方々、また、ものづくりに興味を持ち始めた学生の人たちに共有してもらいたくこのサイトを立ち上げることにしました。
単なる技術解説にとどまらず、エンジニアとしての資質のスキルアップも図れるような他に類をみないサイトに構成していますのでぜひ一緒にスキルアップを目指し、将来の糧・資産にしていきましょう。当サイトで解説している手法でモノづくりエンジニアとしてスキルアップした技能を身につけたころには世界に自分の技術を売り込むことも夢ではなくなるでしょう。
初めての組み込み技術の学習で直面すること
初めて組み込み技術に取り組もうと思ったところでなにから手をつければよいかわからないのは、何事も新たに始めるときには皆同じです。
私も実際そうでした。会社のプロジェクトで自社製品を開発することになったのですが初めて組み込み技術に取り組まざるを得ない状態になった時は右も左もわからず途方にくれました。私の場合は相談するものがおらず独りで悩んでいて、何から始めればよいかが見当つかず正直導入部分だけでも専門家に依頼したいのが本音でした。
たまたま本屋に立ち寄ってなにか少しでもヒントになればと藁をも掴む思いで購入した一冊のARMマイコンの書籍が私の場合はきっかけとなり、それを機に調子づいてどんどんネット情報も駆使して実際に試行錯誤を繰り返したおかげで苦労が実を結び今ではアイディアさえあれば何でもマイコンで実現できそうなくらいです。
私の場合は組み込み(マイコン)未経験であったときにさまざまなマイコンの中でARMマイコンを採用したわけですが、それはARMマイコンは高機能がために初心者には敷居が高く思われていますが、実際の仕事で使うには将来性が有望なことと多くの課題を実現してくれるものと確信したからでした。
その採用結果は大正解だったわけですが趣味の電子工作のみならずこれから本格的に組み込みエンジニアを目指すひとは、このARMマイコンから始めて基礎を学ぶことが近道だと思います。
私の場合は完全に独学であったので遠回りしてここまできたともいえます。それだけに、つまづきやすく、わかりにくく挫折しやすいポイントはよくわかります。何事にもいえることですが、新しいことで不慣れなことを始めるのに相談できる機会があるかどうかで上達の効率は全く違います。
自分がたどった遠回りな努力はできるだけ省いて最短で無駄なく学習できる環境を提供できることを意識してまとめています。教える側の目線でなく使う側の目線で解説をまとめるように努めています。当サイトの「ARMマイコンをつかった組み込み技術習得のスキルアップ学習カリキュラム」を順にたどって「実践で使えるARMマイコン入門」で学習をすすめると組み込み技術が効率よく身につくようなサイトであることを目指しています。
マイコンを始めるにあたってつまづきやすい総合開発環境(IDE)やツールの使い方につきましても、当サイト独自の構築方法を「ARMマイコンSTM32の学習におすすめの開発環境」で公開していますので挫折なく安心して学習を進めることができることが特徴です。
一度身についた技能は財産です。皆さんにはできるだけ早いうちに技能を身につけて自身の可能性を拡げてください。
組み込みエンジニアを志す人に身につけてほしい資質
それは実社会での設計・開発の経験および失敗を通して得た本当の活きた即戦力となる技術力です。私は組み込み技術を独学で遠回りしながら試行錯誤の末、さまざまな製品開発するまでにいたりました。当サイトではこうして得た技術のうち実用的に使える部分をエッセンスとして活用しているところを紹介していきます。
私の実務が個人企業のようなものであることから一般的なエンジニアとは異なり広範囲の分野にまたがった技術を深く習得して製品化し販売実績をあげ、しかも責任はすべて自分であるという厳しい環境のもとに蓄積した知識・経験の詰まった技術は他に類を見ないものであると自信をもっていえます。
組み込み技術もプログラミングと同様に、知識だけ他人のものを模倣しただけでは役には立ちません。インターネットから得た寄せ集めの知識で構築したテクニックとは違い、当サイトではしっかりとした工学的基礎の上に築いた実践での生きたノウハウを詰め込んで知識だけにとらわれずどのような分野にでも通用する応用・対応力をつけることを目的としています。
応用・対応力は現場では起こりがちな不可抗力的な不具合にも冷静に対応できるようになるためのエンジニアとしての最重要な資質です。
まとめ
このサイトでは、マイコンの中で特にARMコアを搭載した教材をもって組み込みスキルを短期間で習得することをサポートしています。ARMマイコンは高性能で高機能であるがために、初心者や未経験者にとっては独学では学習することが困難に思われますが、きっちりと体系化したカリキュラムにしたがっていけば、マイコンが初めてでも意外とやさしいことに気づくでしょう。
その手段であるマイコンの種類や使用されている開発環境・ツールの知識に関しては使いこなすために一通り理解することは重要ではありますが、すべてではありません。マイコンにしても、ツールにしても永久的なものではなく進化したり、廃盤になったり入れ替わりが結構早いものです。
これから組み込みエンジニアを目指すものにとって、ARMマイコンを使いこなすようになることはもちろん重要ですが、それに加えて時代に左右されない普遍的な基礎知識、例えば電気・電子回路、機械工学、制御工学およびプログラミングの基本的な理解が重要です。
このサイトでは基本的な知識をつなげて応用する知恵を育てることをコンセプトとしています。知恵を育てるのに最も大切な要素は好奇心です。興味がわけば習得した知識をより自分なりに発展させていくことで応用力がどんどんついていきます。こうした能力は資産となり技術分野のみならず今後いろいろな方面で活用できるようになります。"ものごとの本質を見極める力と知識を応用する知恵"が身についたころにはエンジニアとして一人前になっていることでしょう。
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