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組み込みエンジニアを志すひとへ
これからモノづくりエンジニアの中でもとりわけ組み込みエンジニアを志すひとへ実践で使えるスキルを身につける手法・ノウハウについて解説しています。
当サイトは下記の人たちを対象に趣味で電子工作に興味のある初心者から現役エンジニアまで組み込み技術の習得を目指し、どのような分野にでも通じる実務レベルの応用力、知恵を効率よく短期間で身につけ即戦力となるスキルアップを図ります。
- モノづくりに携わっているエンジニア(電気電子系、制御系、情報系、機械系など)
- モノづくりに携わろうと志すひと
- プログラミングはかじってみたけど挫折したひと
- プログラミングはある程度できるが実際に目的を持ってシステムを作ったことはないひと
- WEBプログラミングだけでなく、組み込み(ハードウェア)にも興味があるひと
- 市販商材で内容通りに動かせる程度にはなったけどその先にすすめないひと
- 実際に使える技能を身に付けて転職、独立、副業、スキルアップを図り転職時にアピールしたいひと
なにごとも経験のないものに挑戦するときには、きっかけを掴むまでが大変で場合によってはモチベーションが持続せず挫折してしまいます。
組み込み技術のばあいは特に習得すべき知識・スキルの範囲が広いためどこから手をつければよいかがわからなくて当然です。
- 組み込み周辺回路に使われるデジタル論理回路やアナログ回路とやらがさっぱりわからない
- 組み込み技術を解説している用語がわからない
- プログラムのようなデジタル的なもの(ソフトウェア)がどんな仕組みで機器(ハードウェア)をコントロールできるのか
- 組み込み機器とはどうしたら実現できるのか
- プログラミングの開発環境は何を選べばよいのか
- どんなツールを使用すればいいのか
- マイコンはどのようなものを選択すればいいのか
- マイコンの周辺回路はどのように設計すればよいのか
- なにから手をつければよいかさっぱりわからない
- あまり、自信がなく導入部だけでも有償でもだれかに頼みたい
具体的に直面することはざっと上記のようなことではないでしょうか。そんな経験を踏まえた上で体系的にまとめられた当サイトの「学習カリキュラムガイダンス」にしたがっていけば初心者でもスキルが身につくようになっています。
当サイトの特徴
組み込み技術を始めたい人の背景はさまざまだとおもいます。電気・電子回路などの知識はあるけどプログラミングは未経験とかまたはその逆などです。
人は初めからすべての技能をもっているものではないのですが、組み込み技術の学習という具体的な目標をもって、電気・電子回路の学習またはプログラミングも同時にはじめると理解もはやく効率よくどんどん頭に入っていきます。
当サイトでは組み込み技術のコア部分であるマイコン操作は電気・電子回路などの基礎をしっかり理解した上ではじめられることを勧めます。「急がば回れ」で頑張ってください。
組み込みエンジニアが学ぶもの
組み込み技術に電気・電子基礎
私が組み込みを始めた当初は基礎的な電気的知識はあった程度ですが実践回路の知識は皆無でした。でも心配することはありません。組み込み技術に基本的に必要な電気・電子回路で難易度の高いものはありませんので技術の専門家でなくても理解できるものばかりです。
当サイトでは組み込みシステムのコアであるマイコンの周辺に使われる回路についてエッセンスの部分を解説しています。中学校で学んだ電気回路の基本がわかっていれば理解できる内容です。最も大事なポイントは電気回路等ハードウェアを扱ううえではまずものに興味を持つことです。
少し理解できたところで素通りするのではなく、少し興味を広げていろいろな事例にあたって理解を深めると本当のスキルが身につきます。今ではネット情報で得られないものはないので大いに活用してください。設計時に必要となるマイコンや周辺部品の仕様書を理解できるレベルにはなってもらいたいものです。
C言語
プログラミングに関してはC言語が必要なのですが、プログラマーである必要はなく手段としてつかうものですので言語自体の学習でなく組み込み学習の一環として初めは必要最低限つかえるようになればよいと思います。
当サイトではC言語自体の解説は行っていないでのすが、C言語の概要がわかっていれば学習をすすめていけると思います。C言語の学習も組み込み技術の学習と同時にできる環境構築も当サイトで紹介しています。
私の経験では組み込みプログラムを作成していくにあたって自然にプログラミング力はついてきました。私は電気・制御系出身なのでプログラミングに関しましては専門ではないのですが製品としての組み込み技術を構成しているソフトウェアとしての内容では厳しい生産現場での使用実績からも自信をもっています。それでいいのではないかと思っています。
プログラミングの記述方法も大事ですが、内容の論理的な考え方そのものと創造アイディアがより大事です。組織のなかで使われる比較的規模の大きなプログラムである場合はオブジェクト指向プログラミングなど駆使してモジュール化スキル等ある程度のルールを意識をしておく必要はあるでしょうが初心者のうちはまず確実に動作するプログラム(ソフトウェア)を構築することを優先すべきだとおもいます。
マイコンの操作
ある程度の電気・電子回路およびプログラミングの概要をつかんだ段階で、いよいよ組み込み技術のコア部分であるマイコンの学習を開始します。
当サイトで対象とするマイコンは電子工作などのホビー向けではなく実践の工業製品にも採用される32ビットマイコン(ARM Cortex-M3)です。
世界的に主流なマイコンであることが強みでこれから本格的に組み込みを志すひとにとっては申し分なく学習にも最適なつぶしの効くマイコンであるといえます。
それだけに高性能で多機能のため初めからすべてを使いこなそうとするのは無理がありますが、当サイトではまず基本の機能を使いこなせるようにカリキュラムを組んでいますので、根気よく学習を進めていくとマイコン操作について自然にスキルアップしていくようになっています。
システム設計のスキル
実践での業務ではマイコンを自在に操作するスキルだけでは不十分で、即戦力として使用できうる知識、設計力やものの考え方を含んだ応用力が求められます。当サイトでは製品開発の課題を実現するには必須の設計概念をシステム、ハードウェアおよびソフトウェアそれぞれについて解説していますので、参考にして学習し応用力を身につけてください。
これまでの自分の経験により組み込み技術を学習するうえでの所見を述べたのですが、初心者にとって一番の近道は近くにすぐれた指導者や相談できる人がいることです。
現状では準備が整ってないのですが、近い将来にオンラインまたはコンサルタントを実施したいと思いますので皆様からのご意見お待ちしております。
組み込みエンジニアと時代背景
近年ではエンジニアといえばIT業界をはじめとするソフトウェア(プログラム)だけを扱うものを指すほうが多いですが、従来エンジニアといえば機械設計や電気回路設計などハードウェアを扱うものがほとんどでした。インターネットの発達によりエンジニアの定義も変わってきてきたみたいですが、ここでいうエンジニアはハードウェアである家電製品、情報・通信機器、産業機械などコンピュータを内蔵するあらゆる機器に必要な組み込み技術を扱うひとのことです。
組み込みエンジニアにもとめられている能力はソフトウェアを構築するプログラミングスキルのみならず、マイコン操作の知識、周辺機能の電気、機械、情報また制御の工学的基礎知識を組み合わせてシステムを構成する設計技術です。
かつては技術立国といわれた日本を支えた製造業ではありますが、いまではソフトウェア寄りにシフトしている傾向です。そうはいってもハードウェアの存在なしにソフトウェアだけが活きるものではなく、今後はインターネットを活用したIoTやAIとも組み合わせた製品を開発する組み込み技術はますます重要となります。組み込みエンジニアは将来的にAIに取って代わられる仕事ではなくAIを使う側の仕事に携わることになるのです。
ソフトウェアのみを扱うエンジニアに比べ、組み込み技術は幅広い工学的知識、経験が必要であるためスキルを身につけるのは容易ではありませんが、使えるスキルをもったエンジニアはそれだけ希少で今後ますます需要が高まり売り手市場的な存在になっていくと思われます。
基礎的な組み込みスキルを一度身につけたエンジニアは活躍できる場がとても広く、需要が高いため転職時に自分を有利に売り込めるだけでなく、フリーランスとして独立したり、活躍の場を海外に求めこともできる人材となれるでしょう。
当サイトの使い方
- 1 カリキュラムガイダンスにより学習手順の把握
- まず組み込み技術を身につけるために必要な技能を理解し、自身のスキルに合った学習の進め方を「カリキュラムガイダンス」により把握します。
- 2 組み込み技術の学習開始
- 「組み込みマイコンの基礎と開発入門」にてマイコンの基礎知識、マイコン自体および周辺に使われる電子・電気回路(ハードウェア)の基本から学習を開始します。ハードウェアの基礎知識が理解できた段階でマイコン操作の学習を開始します。
- 3 実務で要求される設計についての学習
- マイコンが操作できるだけでは実務では不十分です。
ポイントはマイコン操作の技能を身につけた先のことで、業務(フリーランス含む)で即戦力として使用できうる知識、設計力やものの考え方を含んだ応用力を身につけることです。「組み込みマイコンの基礎と開発入門」の組み込み開発設計項では実際の業務でも使用しうる即戦力となりうる技能を盛り込んでいます。
- 4 アプリケーション例を参考に応用力を磨く
- マイコン操作を身につけるためには実際に動作させることが近道です。
当サイトの「組み込みプログラム例と実践」では実践で使用できるプログラム例を豊富に載せていますので、実際に動作確認でき最短期間で応用力スキルを磨くことができます。